感覚過敏がある3歳の息子にマスクを着用してもらった方法
発達障害の特性を持つ息子は感覚過敏があります。服もタグがあると怒って着ません。そんな息子も幼稚園入園にあたり、マスクの練習をして無事、マスクをつけられるようになりました。
1. 幼児がマスクを着用しなければならないご時世
感染症などが流行るとマスクの着用を求められることが多いです。特に冬場はその傾向が強くなります。
私も苦手なので、マスク嫌いの子の気持ちはわかります。
特に発達障害のある子は感覚過敏がある子も非常に多いです。皮膚への刺激と鼻と口を塞がれる圧迫感は耐え難い苦痛と感じてしまう子もいます。
息子はHSCと言われるほどの重度の感覚過敏はありませんので、幼稚園での集団生活に向けて、入園前からお家ですこ〜しずつマスクの練習をしました。
「感覚過敏があるのでマスクは無理です。配慮しろ!」とは、私は思えませんでした。そもそも息子は重度の感覚過敏ではありません。周りの人に配慮を求める前にまずは親子で改善する努力をすべきだと思っているし、ちょっと努力すれば克服できるレベルの課題だと思ったからです。
2. 感覚過敏気味の息子にマスクを克服してもらうためにした工夫
息子の場合は敏感肌でもありますが、深刻なレベルではありませんから、マスクの材質も特定のものにしなくても大丈夫だと判断し、一般的なマスクを手作り含め数種類用意しました。
用意したのは布マスクと不織布のマスクの2種類の一般的な素材のマスクです。
布マスクは形は立体型、給食マスク風長方形の2種類。
素材はガーゼオンリー、ガーゼとコットン、夏用の接触冷感素材を使った薄手のもののなど数種類を用意しました。
布マスクで注意したのは、口周りに当たる方の布が柔らかいことと、耳のゴムをタイツなどを切って痛くならない素材にしました。
一度ネガティブな印象がつくと二度と着けなくなる可能性があるので、とにかく、着用時に「痛い!ゴワゴワする!」と感じないようにしました。
不織布のマスクは市販の子ども用の物を購入。プリーツ型と立体型です。今は子ども用の不織布はお店ではあまり見かけないので、みかけたら買うようにしています。
布も不織布も種類やメーカーでつけ心地が違うので出来るだけ多く用意しました。感覚過敏がある子はこの辺りが敏感なので、会社AのプリーツならOKだけど、会社Bのプリーツはダメということもありますので、メーカー違い、型違いで出来るだけ多く用意しました。
克服のためのステップ
ステップ1:マスクにポジティブな印象で、マスク=楽しいに!
替え歌を使いました。昔よくテレビで見たペ○シマンのCMソングのメロディにあわせて「マスクマ〜ン♪」と歌いました。歌いがながらマスクをさっと着用させたりしました。
「マスクマンになろうね!」と声がけ。歌が好きな息子なので、ふざけた調子で歌うと楽しそうでした。
ステップ2:「お揃いしようね!」
ちょうどお揃いが好きな時期でしたので、「お母さん(お父さん/お友達)とお揃いよ〜」とマスクをつける度に伝えていました。
ステップ3:マスクをする理由を話す
・悪い病気が流行っていてマスクをするというルールができた。
・風邪気味の時はマスクをするのがエチケット&マナー。エチケットはかっこいい!
・くしゃみがでたからマスクをしないと外には出られないし、お友達とも遊べない。
・くしゃみや咳はマスクをしないとばい菌が飛び散って、他の人が病気になってしまう。
どの程度理解できているのかは不明でしたが、最初から、どうせ息子に言っても理解できないと決めつけるのでは無く、短い言葉でなるべくわかりやすく伝えました。子どもむけの動画もみせました。
3. マスクデビューに向けてのオススメの練習季節と時間
経験上、断然冬がオススメです!!冬は乾燥しますし、寒い。マスクをすると保湿もされるし、息子はあまり嫌がりませんでした。
夏のマスクは特に子どもには推奨されていませんよね。熱中症のリスクもありますので、夏場に練習するのは健康リスクも高いですし、子どもも嫌がります。余程のことがない限り、涼しい季節に練習したほうが着用してくれやすいと感じます。
息子も夏場のマスクは嫌がりましたし、熱中症になりかけたこともありました。夏場は風邪をひいて病院に行く時など、第3者がいる場所など限定で使用にしています。
いきなり長時間着用するのは難しいです。最初は3分着けられたらOKとし、少しずつ時間を伸ばしました。息子の場合は、よく利用する路線バスの乗車時間15分着けられたら目標クリアとしました。
気をつけたのは、マスクを正しく着用すること!なるべく鼻まで覆うようにしています。鼻水が出てると口だけマスク状態になってしまいますが、そういう場合は「くしゃみが撒き散らされなければマシ」と考え、叱るようなことはしません。叱ってもマスクに対して嫌な思いしかしなくなるので・・・
4. 香りを使ってマスク着用率がアップ
ある時、「マスク臭い!嫌!」と息子からクレームが来ました。マスクに篭った独特の臭いがたまらなく嫌だったようです。
そこで、アロマスプレーで少しだけ香りをつけたりしました。好みの香りをほんのりつけてあげるのもマスクが苦手だった息子には効果がありました。
※アロマオイルもアレルギーがある子もいるので、必ずアレルギー反応を見て安全かどうかを確認しています。
私の使い方ですが、エッセンシャルオイルの場合はティッシュに1滴だけオイルを垂らして、そのティッシュをマスクの内側(鼻の穴が当たる部分に香りティッシュが当たる感じ)に挟んで、一緒にチャック付きの袋に数時間入れておきます。マスクを着用した時に鼻の部分にほのかに香りが残るようになります。
オイルを直接つけると、スメハラになり兼ねないので、本人だけが楽しめるように気をつけています。香りの強さは本人が息を思いっきり吸い込んだ時に香る程度を目安にしています。
今はマスク用の香り付きの除菌スプレーも売っていますので、それを使うこともあります。これも前日にマスクに吹きかけています。
息子は香りは好きなようで、特にベルガモットがお気に入りです。「いいにおい〜〜♪」とマスクをつけてくれる様になりましたし、香りも本人が選べる様にもしました。
5. 初めと終わりに必ず褒める!
まず、マスクを着用できたら褒めました。「マスク付けられたね!!」と。あっさりと。長時間つけられたら、「すごい!こんなに長い間つけてられたんだ!!お母さんびっくりした!!」と大げさに驚いて褒めます。
もちろん、共感もします。「マスク、息苦しいし、嫌だよね。でも頑張って付けてて、カッコいいね!あと5分でバスを降りるから(お店を出るから)、バスを降りたら(外に出たら)外していいからね」と、外していい目安を教えてあげると、子どもも頑張れます。
発達障害グレーの息子はまだ曖昧な表現が理解できませんので、具体的に「〇〇まで」と言うとしぶしぶながらも納得してくれる場合もあります。
お金や手間はかかってしまいますが、「これ!」っていうマスクに出会えるとすんなりつけてくれたりもするし、工夫をしないとつけてくれなかったりもするので、試行錯誤しながら乗り越えました。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません