発達障害グレー男児の自己肯定感を上げて脳を発達させる褒め方とは?!
日本には古来から「言霊」と呼ばれるものがありますね。言葉に霊的な力があるかどうかは不明ですが、子どもは親からの言葉で自己肯定感を高めることができます。
1. 発達障害グレーゾーンの子こそ褒めて育てる事が大切!
子どもは(特に)親から褒められることで、自己肯定感が高くなると言われています。自己肯定感というのはありのままでいいんだと自分自身を認め、自分で自分自身をポジティブに受け入れられている状態ですよね。
似た言葉で自己効力感という言葉もありますが、こちらは「私は(僕は)できる!」という自信に近い意味なります。「〇〇ならできるよ!」という応援型の褒め言葉と本人の成功体験が重要になってくると思います。
自己肯定感は、乳幼児期から褒めて認めてあげることで高くなると言われています。環境次第では下がってしまうこともあります(挫折した時など)が、幼少期から高い自己肯定感を持っていれば、挫折しても、自己肯定感が一度も高くなった経験がない子より、回復しやすいのではないかと思います。
沢山褒めるというのは、自己肯定感を高めるためにはとても重要なことです。そのため、多くの教育関係者が褒めて伸ばす育児を推奨しているのでしょうし、高学歴のお子様をお持ちの親御さんの多くは、ほとんど叱らずに褒めて伸ばしてきたということが育児本などに書かれています。
定型発達児向けの育児本や幼児教室、療育と対象の子は違っていても、褒める対応は同じでした。
私がお世話になってきた発達障害の専門家、教育のプロは口を揃えたかのごとく「出来たところだけを褒める。嫌味、ダメ出しNG」と言います。
違う組織に属するプロフェッショナルの方から同じことを言われると言うことは、それだけ「褒める」ということが子どもの発達にとって大切な事なのだと理解できます。
2. 発達障害グレーの子ほど褒めた方がいいワケとは・・・
学校などの集団生活に入って初めて困り事が発覚したり、園や学校から発達検査をするように言われた・・・というのも軽度発達障害やグレーゾーン児に多い特徴ではないでしょうか。
「普通の」子どもに求められるレベルが高くなっているとも感じます。忘れ物をせず、離席せず、時間を守り、先生の指示に素直に従え、口ごたえせず、気が利き、空気が読めて、学校内外・家庭内外でトラブルを起こさない子が模範的な児童生徒とされているように感じます。
発達障害の特性に気がつかれないと「大人の言う事を聞かない問題児」扱いされて、家庭や学校で常に叱られ続けて自己肯定感が下がり続けてしまいます。自己肯定感が低くなるというのはありのままの自分では存在価値を認められていないと思うことですからね。
自分所属する場所どこでも叱られ続ければ、自己否定感で満たされてしまいます。その結果、二次障害を併発してしまって問題がより一層複雑化してしまう危険性があります。
私が一番恐れているのは、環境次第では改善や困り感が減らせる発達障害の特性そのものよりも、二次障害です。発達障害の疑いがある息子を伸ばすために勉強し、専門家に相談しながら実践し続けているのは二次障害を防ぐためでもあります。
二次障害を防ぐためにも幼児期から自己肯定感を高めておいてあげる必要があります。自己肯定感は自分自身を受け入れる事ですから、まずは親がありのままの我が子を受け入れ、存在を認めて、褒めてあげる事で、子どもも自分自身を受け入れてあげられるようになってきます。
自己肯定感が上がれば、自信(自己効力感)もついてくると思います。
3. 発達障害の疑いがある息子にしている具体的な褒め方
私の場合は本当に小さいことをこまめに褒めました。
息子は早起きなので「おはよう!早く起きられたね!健康的だね!」、お腹が痛い時にお腹が痛いと教えてくれたら「お腹が痛いんだね。辛いね。教えてくれてありがとう。」、多動で一瞬でも座れなかった息子が座れた時には「わ〜!座れたね!」と一言。
叱る前に褒めることを考えて、言葉を発するように心がけてきました。褒める行為というのも慣れるまでは、なかなか難しいのですが、叱るよりは簡単にできました。
具体的に、丁寧に、こまめに褒めるという事を意識しています。
「褒める」というと何かできた時に「〇〇くん、すごいね」という褒め方かと思ってしまいそうですが、この褒め方はどちらかというと、「自分にはできる」という自信をつけるための褒め方に近いですよね。
自己肯定感を高める褒め方というのは存在や言動を認めるような、丁寧でポジティブな声かけです。
ほんの少しのことだけできれば肯定する!それだけです。例えば、息子がご飯を食べる時には、
1. 椅子に座れたら、「座れたね」
2. お箸を持てたら、「お箸をきれいに持てたね。」
3. 食べようとしたら、(こぼしても)「頑張って食べようとしたね。」
4. 一口食べられたら、「お口まで運べたね。」
5. 口を閉じて咀嚼していたら、「お口を閉じて噛んでいて、食べ方がきれいだね。」
NGワードはポロリと落としても、こぼしても、「あ!何やってんの!」と言ってしまうことです。つい言いがちになってしまいますが、もし何か言いたかったら、「こぼれちゃったら、雑巾(ティッシュ)でふこうね。」
息子はよく食べ物や飲み物をこぼして、自分でキレたりパニックになったりするのですが、「ティッシュで取ればいいよ〜」など常に声をかけるようにしています。
立ち上がりが激しくて外食もままならなかった多動の息子が座ってハンバーガーを食べられた時は「うおお〜〜!!すごい!!座れてるじゃないかああああ!!」と感動の声で褒めてしまいました(笑)。困りごとの改善が見られたら、私はサプライズでご褒美をあげることにしています。
ハンバーガーショップで座って食事ができた時は、「座れて完食できたね!ご褒美にケーキ買ってあげるから食べる?」と息子の意見を聞いて、小さなケーキをご褒美として買ってあげました。それ以降、ハンバーガーショップで立ち上がることはありません。
息子の場合は、自己肯定感を上げるのと同時に、自己効力感も高めたいですし、語彙も増やしたいので、 「(息子の名前)、背筋を伸ばして座れるようになったね!美しい姿勢だね!」 「ゴミをゴミ箱に捨てられるようになったんだね!」「〇〇ができるようになったね」「靴が早く履けるようになったね」 とかなり具体的に言っています。
当たり前にできるようになったことは、「早く(正確に)できるようになったね」というように子ども自身の過去と比較して成長した面も褒めるようにすると、何かが「できるようになって、褒めるところがなくなる」ことはないと思います。親の過去や他の子とは比べません。
4. 子どもの自己肯定感を高める言葉かけ
人の体は食べ物で作られますよね。健康的で良質な自分の体に合った食品を食べれば、体を健康的に維持することができるように、人の心(精神)は与えられた言葉で育まれます。勿論生まれ持った特性はありますが、良質な言葉を与えられることで、健康的な精神状態になることができます。
発達障害グレーゾーンの子はその特性から、どうしても他者から受け入れられない場合もあります。ですが、そういう子どもでも唯一の親からありのままの存在を認められ、愛されていると思えれば、落ち着いてきたり、自分で自分の困り感に向き合って、周囲に困り感を伝えられるようになるのだと思います。
こまめに褒めるためには子どものいい面を見なければなりません。悪い面はいやでも目につきますが、良い面は意識を向けなければ見えません。子どもを観察して、出来たことを褒めるのを繰り返すと、褒めるスキルが上がってきます。
定型発達の子には当たり前のことでも、発達がゆっくりな子にはハードルが高いことも沢山あります。それは、褒めるポイントも多いということです。子どももできない事ができるようになると達成感を得られて嬉しく感じると思います。
ポジティブな言葉で沢山褒めて、認めてあげると子どもの自己肯定感と自信(自己効力感)が同時に育っていく感じはありますが、自信をつけるには成功体験の積み重ねが大事になってきます。
叱ってしまった時や対応が悪かったな・・・と思った時は親の不適切な対応を謝罪して、3倍褒めて挽回するようにも気をつけています。
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