発達障害グレーゾーンの子に教科書デジタル化は吉とでるか凶とでるか
教科書もデジタル化が進むそうですね。私立中高だとICTが導入されているとこもありますね。小学校でデジタル化はどうなんでしょう。保護者観点からパソコンやタブレット学習のメリットデメリットを考えてみました。
1. 発達障害がある子に学校教材のデジタル化は有利?
発達障害がある子ではタブレットの方が学習面での困りごとが減る場合もあります。
例えば、板書ができない(黒板の字をノートに書き写せない)困りごとを抱える子もいます。そういう子はタブレットやPCを使う事でスムーズに学習することができる事もあります。
デジタル化(タブレットやPC)のメリット
・筆圧が弱い子にはタブレットの方が書きやすい。
・識字障害など視覚に関する困り事は個人差があるが、タブレットのフォントや字の大きさ、行間を変えることによって(変えられれば)読みやすくなる。
・板書内容がタブレットに書かれていれば、板書ができなくても困り感を感じない。
・計算問題や漢字練習など単調に繰り返すルーティーン学習や問題などがゲーム・クイズ化しやすく、子どものやる気を引き出せるかも。
・宿題の提出がオンラインでできれば、先生も提出、未提出をチェックしやすく、プリントの紛失も防げる。
デメリット
・乳幼児〜小学生では斜視になりやすい。
・ブルーライトによって近視など視力が悪化しやすく、目が疲れる。
・感覚過敏でブルーライトカットメガネなどの着用を嫌がる子もいる。
・元からメガネをかけている子へのブルーライト対策は?
・タブレットはメモが書き込めない。
・小学生あたりはものを乱暴に扱う子もいるので、破損したらどうするのか。
・こだわりの強い息子がタブレットの問題(色調やイラスト)を好むかどうか賭けになる。
例えば、1限目に壊れた、壊されたなどで端末が使用不能になった場合の対策はどうなんでしょう。ブルーライトカットはシートもありますので、画面の破損防止から恐らくシートをつけるのかなと思いますが、ブルーライトカットメガネは大人ならすんなりつけられても、子どもは嫌がるかもしれません。
子ども目線や子どもの事を本当に考えているのか疑問に思います。
2. 手を使った方が覚える?
一般的に手を使った方が脳が活性化されると言われています。ですので、私は息子には手書き、手描きでお絵かきさせたり、指先を使う作業を意識して取り入れています。
療育も手先を使うものが多いです。私が通所している療育施設のメニューでは、粗大運動(跳び箱や平均台など体幹を鍛える系)と微細運動(紐通しなど細かい作業をする系)を行っています。
ピアノも楽譜を見て、指で鍵盤を間違えずに弾くという行為が、脳の発達には非常に良いと言われている事もあり、人気の習い事です。
発達障害が疑われる息子は、デジタルものには反応します。ですので、タブレットなども取り入れていくことは考えていますが、息子は斜視気味です。俗にいうスマホ斜視という急性内斜視(寄り目)ではありません。
ぼーっとしていると目線が外側に外れてしまうのです。調べたら間欠性外斜視に該当するようで、頃合いをみて眼科に検査を受けに行こうと思っています。
デジタルもの、特にスマホのような小さい画面ものもは、子どもが急性内斜視になりやすいと注意喚起されています。息子もスマホは見せることはありますが、調べ物や撮影した動画を見たり、祖父母に動画で通話するときだけの短時間にしています。
少なくとも小学校低学年はアナログな手書き中心で取り組ませた方が脳の発達には良いのではないかと思います。
一見面倒な作業と思われることが実は脳を鍛えるのに良いことも多いです。知育玩具とかも手を使うものが多いですし、感触や色など触覚や視覚を活用できるように工夫されています。
3. デジタル化でも柔軟性を取り入れられるかが問題?
人によっては紙の方がいい場合もあります。特に教科書に書き込むタイプの子もいますし。特に乳幼児から小学生は紙が主体であるべきだと思います。
デジタル化することでの健康被害の責任はお役所はとってくれないでしょう。ただでさえ発達の問題があるというのに、健康問題を抱えたくはありません。
デジタルにしたから、紙は排除します!ではなくて、結局はその子その子にあった方法を柔軟に取り入れられることが、重要ではないのかなと思います。
美術系の大学でCGなどパソコンを使うものをやってきましたし、広告関係の仕事もしたことがあります。ですので、デジタル、アナログのメリット、デメリットもわかります。
紙の本のメリットは12ページと24ページと38ページをパラパラとめくれること。また、本A、本B、本Cと異なる本をいっぺんに開けることです。
息子の場合、思考がぽんぽん飛ぶ癖があるので、石の図鑑を開いたと思ったら、虫の図鑑を開き、魚の図鑑を開きます。3冊同時に開いて床に置いてあっちをめくり、こっちをめくり、と見ることで安心感を得るようです。
これはデジタルでは今の所できないことです。デジタルは大きさが決まっていますからね。もちろんタブレット3台4台買ってなら同時に見開く事ができますが、オールインワンがメリットのタブレットではあまり意味がない使い方ですね。
デジタル化のメリットは、図鑑などの資料系とゲームっぽくできる学習系アプリや宿題ではないでしょうか。辞書もデジタル化しておけば、学校への持ち運びはデジタル、家ではペーパーと使い分けもできるので、子どもが学習しやすい方を選べますね。
校外学習などでもデジタルで調べられることは多いので、外に持ち運んで効率的に学習する点ではデジタルは本当に便利です。
文科省さんも一気に「デジタル化だ〜!!」と意気込むのではなくて、紙の本の良さもあるので、それぞれのメリットデメリットをしっかり議論し、保護者や先生方、当事者である児童生徒の意見を取り入れてデジタル化を進めてほしいです。
結構お役所って0か100かと極端に考えが偏ってしまうことがあるので、少し不安があります(汗)。
紙の良いところ、デジタルの良いところをしっかり反映して発達凸凹がある子どもでも、普通級で困り感が出ないような学習の機会を得られることが理想ですね。
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