発達障害グレーの多動真っ盛りの幼児が葬儀に参列した時の対処法
2年ほど前、息子の曽祖母(夫の母方の祖母)の葬儀に参列しました。息子の発達障害が疑われ、精神的にギリギリの時に訪れた大きな課題でした。
1. 不幸は突然やってくる!
結婚式にも参列していただいた夫の母方の祖母。夫は父方、母方の祖父母から非常に可愛がられていたようです。 特に母方の祖母は夫の幼児期の写真を飾っているほどでした。
また、自分の孫(夫)に金太郎飴のようにそっくりなひ孫(息子)をとっても可愛がってくれました。
1年前に体調を崩し入院生活に入った時にも義母からひ孫に会いたがっていたことを聞きました。普段は衰弱して寝てばかりだった義祖母も孫(夫)とひ孫(息子)がお見舞いに来るとわかるとシャキッと起きていたそうです(私も一緒でしたが、いつも起きているものだと思っていました)。
日に日に衰弱していく義祖母ももう長くはないかもな・・・と皆覚悟は決めていました。息子には一応冠婚葬祭で使えるような幼児用フォーマルのポロシャツとズボンなどは用意をしていました。
今から約2年前の春、義祖母は鬼籍に入りました。息子が2歳半になる少し前でした。
夫は仕事上、葬儀に参列できるかわかりませんでしたが、通夜と葬儀には参加できる調整がつけられました。
下手をすると実親の葬儀ですら参加できない事もある仕事です(基本的には親の葬儀には出られますが、公務員としての仕事上、どうしても無理な場合もありますし、夫の親族も皆それは覚悟しています)。ちなみに夫の実妹の結婚式は不在で欠席しました。
2. 時間のない中での対応
通夜が行われたのは平日。訃報の連絡を受けた翌々日くらいが通夜だったと記憶しています。
当時住んでいたのは、広島県の瀬戸内海に浮かぶ島。橋がかかってるとはいえ、車のない我々の主な交通手段は船でした。
そして、夫の実家は大阪です。母方も父方も大阪です。夫の親族も殆ど大阪住まいですから、通夜、葬儀会場も大阪になります。
つまり、家族で大阪へ移動しなければなりません。帰省などしていましたから、移動自体は大したことはありませんが、如何せん今回は通夜と葬儀です。楽しいことではありません。
息子と同じ年の従兄弟の女の子も来るので、余計に息子が悪目立ちするのではないかと通夜に行く前から胃が痛くて堪りませんでした・・・
当時2歳で多動と奇声真っ盛りだった息子と参列できるのか悩みましたが、息子が騒いだら即離席し、私はお焼香はできないかもしれないと伝え、参列することにしました。
慶事なら子ども次第で欠席しますが、弔事では(子どもが重度の病など以外で)欠席という訳にもいきません。義母は「遠いし、無理して孫ちゃん連れてこなくてもいいよ」とは言ってくれましたが・・・。
息子の靴は何となく買ってあった黒いスリッポンにしました。何度か履いていたものの、履きなれてない靴だと癇癪を起こす可能性もあったので、予備でいつも履いていたスニーカーも用意しました。
3. 最悪に不機嫌な息子
この頃は広島県の島に住んでいました。島から広島市に出て、駅に行って新幹線に乗り、葬儀場のある大阪まで行かなければなりません。
お昼に広島につくようにして、お昼ご飯を食べようとしました。そこでとんでもない事態が起こりました。
飲食店で息子が癇癪を起こし、オレンジジュースをこぼし、割箸を投げつけたんです。最悪ですよね。私も夫も「え!?」ってなって一瞬フリーズ。
店員さんに謝罪をして、食事にも手につけず、夫にお会計をお願いして、すぐに息子を外へ連れ出しました。
今までの不安、これからの不安、今後の不安、肉体的疲労に息子の問題行動がスイッチとなり、私が完全にキレてしまって、店外の端で怒鳴りつけてしまいました。
他害行為ともとれる行動はこれまでなかったこともあり、怒りに任せて自分の感情をぶつけるという一番やってはいけない行為をしてしまいました。
夫に静止されるで、泣き叫ぶ息子を容赦無く怒鳴り続けていたようです(記憶にないほどブチギレてたみたいです)。
最悪な雰囲気のまま新幹線に乗り、会場へ向かいました。
ちょうど会場では通夜が始まろうかと言う時でしたが、息子は慣れない服、慣れない雰囲気、怖い声(お経)、昼の叱責によってストレスが溜まった息子は奇声を上げ始めて会場を走り出してしまいました・・・
足の悪い高齢の参列者も多々居ましたので、息子を俵担ぎにして、義母に控え室にいると言う旨を伝え、会場を去りました。肉親である夫だけ参加してもらいました。
最後の最後で夫に息子を見てもらい、なんとかお焼香だけはできました。
4. 発達障害グレーの子と冠婚葬祭への出席では、いつでも〇〇できるようにしておく!
発達障害関係なく、乳幼児連れでの冠婚葬祭への出席は悩まれる方は多いですよね。
フォーマルな式への乳幼児の参加については各家庭で違いがあると思います。大人しい子であれば心配はないでしょうが、息子のようなタイプだと親はどうしようか迷います(特に微妙に近い血縁の場合)。
冠婚葬祭への出欠を悩むということは考えているということなので、準備に時間がかけられる結婚式の場合は新郎新婦と新郎新婦の父母、葬儀など急な不幸の場合は故人に近い人(喪主ではなく喪主の兄弟姉妹や故人の子や孫など)にしっかりと相談するようにしています。
葬儀の場合は忙しいので、準備でバタバタしている主催側の親族よりは参列する親族に相談すると良いと思います。忙しいと「そんなの常識の範囲で自分で考えてよ!」と難題を言われて終わりですから・・・
何れにしても子どもを連れて行くか行かないかの最終判断は親になりますので、よく考えることが求められますね。
ただ、本音を話さない人もいると思います。例えば、結婚式で新郎側の従兄弟の幼児が数人参加する場合、新婦からでは本音が言いにくい事もあります(本当は来て欲しくないけど、子どもが嫌と言うと悪い印象になりそうで言えないなど・・・)。
結婚式の場合は「ぜひ、子どもも連れて来て!」、葬儀の場合は「無理してこなくてもいいよ」と言われても鵜呑みにしないようにしています。言葉の裏を読まないといけないのでしんどいですけどね。
面と向かって「乳幼児(発達障害が疑われるような子)なんて連れてこないで」とは言われないでしょうが、欠席か末席にしてもらい、いつでも離席できるようにするといいと思います。
参列する場合、騒ぎそうなら離席するなど、周囲への気遣いを徹底すると印象は良いと思います。
参加者なのに殆ど式に居られないこともありますので、必ず周囲や主催者に「騒ぐ我が子のせいで場の雰囲気を壊してしまうと皆様に申し訳ないから」と事情を丁寧に説明するとほぼ居られなくても(私は通夜も葬儀も最初と最後しか居られませんでした)普通は大丈夫だと思います。
私達の場合、子どもが生まれてからは冠婚葬祭について簡単なガイドラインを設けました。
・慶事は招待された人が参加。
・夫婦のみ招待されたら、子どもの預け先を決める、または片方が欠席。
・弔事は夫婦どちらかは出席する。近しい親族や家族で付き合いがある方の場合は子どもも連れて行く。
・慶弔事に息子を連れて行く場合(断られた場合は別)、常に「幼児連れでもOKか」を確認する。また、子どもの言動次第で離席がある事を伝える。
・特に慶事の場合は(義)兄弟姉妹やかなり親しい親類の式のみ子連れで出席(座って食事できる年齢なら別)。友人などの場合は新郎新婦と家族ぐるみで付き合いでもない限り、子どもは連れて行かない。預けられないなら欠席。
というようにしています。特に結婚式の場合、新郎新婦が「ゲストの子が騒いじゃって凝りに凝った式が台無し」というブラックな気持ちを感じないような配慮を心がけたいです。
義祖母の葬儀より3ヶ月ほど前に行われた義妹の結婚式は、実兄である夫が仕事の関係で欠席となったので私と息子も欠席しました。祝儀と祝電だけ送りました。
息子の場合は発達障害の特性もあるので、子ども向けのイベントでも「参加するかしないか(参加できるかできないか)」を考えなければなりません。そもそも、息子がまだイベントに興味がないので、連れて行くこともほとんどありません。
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