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発達障害の特性がある子に早期英語教育はNG!?

英語教育が小学校でも導入されてくるなど、親の代にはなかった教科が増えてきています。英語教育は力を入れる家庭も多いですね。しかし、発達障害の特性がある子に早期英語教育はすべきか否か迷います。

1. 早期英語教育のメリット・デメリットとは?

赤ちゃんの頃からの英語漬けでネイティブ並みにペラペラに・・・

語学教育は赤ちゃんからやった方が自然と身につくと考えられがちです。しかし、これは少し注意すべき考えだと幼児教育のプロや専門家に教えられました。

早期英語教育におけるメリットは

・英語(外国語)アレルギーになりにくい
・ネイティブスピーカーの発音を自然に身につけられる
・リスニング(聞く力)が自然と身につく(子音など日本語にない発音)

などがありますね。特に発音は幼児期の方が身につきやすいというのはメリットだと思います。逆にデメリットは

・母国語がおろそかになるまたは忘れる
・ダブルリミテッド(セミリンガル)に陥る恐れがある
・ダブルリミテッドを避けるために母国語の語彙や読解力のトレーニングも必要になる(勉強量が増加)
・深い思考力を身に付けることを(親が)忘れてしまう

ダブルリミテッド(セミリンガル)と言うのは、全ての言語(母国語も含む)が中途半端に止まってしまうことです。

最近はダブルリミテッド、セミリンガル・・・このような言葉もよく耳にするようになり、一辺倒で赤子の頃から英語漬け!と言う考えのご家庭ばかりではないとは思います。

実際に私の知人でも小学校高学年からアメリカに移り、中学から大学まで現地校で過ごしたという人がいます。しかし、その知人の母国語である日本語は小学生レベルで止まっています。敬語も「ですます」くらいしか使えません。

その知人とは私が留学した米国の美大で知り合いました。母国語の理解力が中学生手前で止まってしまっているので、中高以上で扱う難しい日本語の読解力や理解力が付いていません。英語も日本語も本は読めるけど、深く理解ができないそうです。

私の留学した芸術系の大学では、論文が書けてディベートできる能力よりも、優れた作品を作ることが重要視されていましたので、彼女の語学力でも全く問題はありませんでしたし、美術の才能に溢れた人でした。卒業後には彼女は優れたアーティストとしてクリエイティブな職場で活躍しています。

彼女の他にも結構な数のダブルリミテッドの日本人の方々と実際に会ってきたので、バイリンガル教育は難しいのだと言うことは理解していました。

駐在員経験者の話も伺うことがありましたが、語学面は親がしっかりサポートする必要があり、大変そうでした。

2. 発達障害の特性がある我が子に、早期英語教育は言語発達を遅らせる?!

発達障害の特性を持つ子の場合、この早期英語教育というのはハイリスクだそうです。

『発達障害の改善と予防(澤口俊之著)』にも書かれていますし、幼児教室や発達心理士さんに別に相談した時にも言われました。

発達障害の特性の1つに、「言葉が遅い」という物があります。我が家も最初はこれで息子の発達障害を疑い始めたのがきっかけです。

もし息子が、過読症(ハイパーレクシア)だったのなら、英語教材などで英語も突っ込んでやらせたかもしれません。過読症(ハイパーレクシア)と言うのは、言語発達が異様に早いことです。発達の凸凹があっても言語発達や言語理解が早い場合は早期英語教育でも問題ないかもしれません。

言葉の理解が遅いタイプの子には早期英語教育は海外赴任や片親が英語圏などで、英語などを早期から学ばなければ生活面で困るという環境にない限り、発達障害の特性のある息子には、無理に詰め込む必要はないかなと考えています。

カリスマ教育ママの佐藤亮子さんも幼児期には母国語である日本語をきっちり身に付けることが大切であると、著書などで言われていますね。佐藤さんご自身は英語の教員の経験がありますが、お子さん達には、まず日本語と算数(読み書き算盤)を徹底していたのは有名な話ですね。

第一に母国語の理解や読解が進むことが大切です。母国語で深く考えることができるようになると、英語など、他の言語を学んだ時に深く理解することができます。母国語のレベルが高ければ、高いレベルの外国語も習得できます。

息子の言葉の遅さもあるので、母国語能力重視でやっています。が、実は英語には触れさせています

3. 言葉の遅い発達凸凹の息子にしている英語教育とその理由

息子には赤ちゃんの頃から英語の絵本を少し取り入れて読み聞かせてきました。赤ちゃん用のボードブックメインです。

『THE VERY HUNGRY CATERPILLAR(Eric Carle)』
『Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?(Bill Martin Jr/Eric Carle)』
『A Color of His Own(Leo Lionni)』

など、日本語にも訳されている有名な短い本を読み聞かせてきました。

英語教育と言えるほどのものではありませんが、小学校に上がると英語の授業があります。小学校で学習するものにはなるべく早い段階で触れて慣れさせておきたいと言う理由で英語に触れさせています。

マザーグース、世界の民謡やクラシックなど、聞かせ幅広い音楽も聞かせています。フォニックスはこれから始めようかな〜という程度です。耳を子音や日本語にない音に慣れさせる程度でOKと思っています。

幼少期から「なんか知っているな」と親近感を覚えさせることで、英語アレルギーにしないようにしたいという理由もありますね。

息子には若干聴覚過敏があります。息子の場合は大きい音ではなくて、特定の音が苦手です。(ヘリコプターの音は平気だけど、バイクの音は苦手というような感じです。)

その分耳はかなり良いので、これを強みにできたら良いなぁと思い、「耳」からのインプットを重視しています。

息子の場合は音を拾いすぎてしまい、自分に必要な音をピックアップできないことが困りごとです。集団でワイワイしていると、「お〜い〇〇くん」と、お友達に息子の名前が呼ばれても気づかないこともあります。

親としては息子が無視しているような形に見えてしまうので、大変心苦しいです。都度、声かけはしてますけどね。今後は、自分に必要な音をピックアップする練習も必要になってくると思います。

余談:英語の発音は気にしなくてOKか

発音は気にするな!という方も多いですが、私の留学経験から、個人的には発音やイントネーションは大事だと思います。

発音やイントネーションばかりに固執するのは良くありませんが、発音が悪いと聞き取りにくいです。例えば、口の筋肉が未発達な幼児の言葉は日本語でも聞き取りにくいですし、地方の方言で滑舌が悪いと何言っているのか地元出身でない私には聞き取れません。

しかし、私の経験上、発音は練習と特訓でなんとかなります。体に覚えさせる感じになるので、水泳を習うような感じでビシバシ特訓すれば綺麗な発音に矯正することは可能です。

センスのある人や舌が長めで柔軟な人は有利かなと感じますが、不器用な人でも根性と努力である程度なんとかなります。

渡米当初は単語の発音は良くても、リスニング力も、イントネーションも微妙で、露骨にバカにされたり、「何言ってるかわかんねー。しっし」と手払いで追い払われたこともありましたが、丁寧な発音を心がけるとその努力を認めてくれたりしました。

こういった経験からも、発音はカタカナでOKとは思いません。あまりにも訛った英語は聞き取りにくいです。聞いてくれる相手あってこその言語ですから、相手に伝わりやすい心がけは必要だと思います。

幼児期は耳は慣れやすいので、耳を鳴らす程度でもやらないよりはずっと良いと思います。