スポンサーリンク

スモールステップの落とし穴!スモールステップがうまくいかない時の対処法!

2021年11月26日

療育現場やペアトレでよく耳にするスモールステップ。実行してもうまくいかない時があるのはなぜでしょうか。

1. スモールステップとは

スモールステップとは、1つの動作をさらに細かくし、少しずつ目標を達成することです。

これにより、小さな積み重ねができて、自己肯定感を高めたりできます。

例えば、多動で着席して食事ができなかった息子に使った最初のスモールステップ

(1)「椅子に座ってご飯を食べようね」と声をかける
(2)「椅子に座れたね」と行動を褒める
(3)「じゃあ次は、「いただきます」と言って、ご飯を食べようね」
(4)「お箸はこう持ってね」

と行動を細かくして行い成功を積み重ねるのがスモールステップです。

スモールステップで褒めていけばいいのね!と意気込んで取り組みました。

しかし、息子はこれではうまくいきませんでした。(2)と(3)の間で、すでに立ち上がってしまうのです。しかもこの時はまだ、自力で食べようとはしませんでした。

「細かくしてるのになんで!!」とイライラしたものです。

2. スモールステップにしてるのにうまくいかない理由とは?

なぜうまくいかないのかというと、全然スモールステップになっていなかったからです。

私自身がズボラというのもありますが、行動をもっと細分化する必要がありました。

また、「椅子に座ってご飯を食べる」という目標自体がかなりハードルが高かったのです。

そもそも椅子にも座れないし、箸も持てずご飯も1人で食べられないのに、2つ以上クリアしなければならない目標がありました。

スモールステップにしているつもりなのに!と思っても「つもり」のままで、実際にはスモールステップになっていない可能性があるのだということに気がつきました。

他には環境要因や精神的要因などもありますが、スモールステップを進めているなら、まずはスモールステップが適切なスモールステップになってるかどうかを見極める必要があります。

3. スモールステップの目標を1つにする

最終目標が「椅子に座って最後まで飲食ができる」というのであれば、まず第一段階として、何がクリアしやすい目標なのかを考えました。

息子の場合、まずは座れることを1段目のステップとして優先しました。

(1)お尻を3秒椅子につけられたら褒める。
(2)ご飯は私が食べさせて、半分食べたら、また褒める。
(3)最後まで食べたら、「最後まで座って食べられたね!!」と盛大に褒める。

途中で離席しても最初は注意しませんでした。ただ、「もうお腹いっぱいかな?お席を離れたらごちそうさまだね。片付けるね〜。」と声はかけました。

お腹が減っていればまた座り直しましたし、そのまま離席して食べないということもありました。

座れるというのが達成できたら、次に自力での食事に移行しました。座れることが定着するまでしっかり褒めることが大事です。

また、「〇〇は前は座れなかったけど、今は最後までしっかり座れるようになったね!」と過去と比較して「できているんだ」というのを本人に認識させるようにしています。

そして、座れる目標が達成できたら、次の目標、スプーン、箸、フォークを並べて好きなものを選ばせて自力で完食するを行います。

これも、最初は補助をしながら食べさせますが、自分で食べるように促して、最初は一口から、次に二口、そして半分、2/3、最後の一口など徐々に親の補助をなくしていきました。

超バランス感覚の悪い運動音痴な子の自転車の補助輪を外すような感覚に近いですが、2年以上かけてようやくほぼ1人で食事ができるようになってきました。

4. うまくいかない日があっても許容する

発達凸凹があると3歩進んで振り出しに戻るという恐ろしい状態にも毎度のように遭遇します。

例えば、昨日は座ってお箸で食事ができたのに、今日は立ち歩きがあった上、ご飯を食べさせる羽目になった・・・という日もあります。

最近は甘えて食べさせてばかり・・・靴すら履けてない・・・大丈夫かな?と悩む日もあります。

しかし、そこで「前までできてたのになんでちゃんとしないの(怒)!!!」と怒鳴りたい気持ちになりますが、怒りをこらえることが大切です。

今日はどうしちゃったの?貴方らしくないね。具合でも悪い?」など、高めの声で言い方を工夫し、本人に気付かせるようにすると、あまり癇癪や困りごとのぶり返しを長引かせずに収めることができました。

ただ、幼稚園などのストレスからくる甘えでしていたことを家ではしなくなったということもあります。

幼稚園(外)でできていて家でできないのは疲れからくる甘え(できるけどしたくない)なので、受容してあげるように気をつけています。

ですが、本当にすこ〜しずつではあるものの、転がり落ちながらも確実に成長はしています。

上手くいかなくて怒りを覚えたら、ペアトレの初歩の初歩である「できていることだけに着目して褒める」を思い出し、「あら?この前より持ち方上手くなってない?」などピンポイントで褒めるように心がけています。

スモールステップは「え!ここまでバラバラにしなきゃいけないの?」というくらい細分化するのが上手くステップを上がるコツであることに気がつきました。

あれ?上手くいってないなと思う日常の困り感はスモールステップがスモールになってないことも多いので、一度立ち止まって、今やってることはどの程度細分化されてるのかな?と顧みるように気をつけています。

超スモールステップでも、上手くいかない時は原因が別にあるかもと考え、上手くいかない原因を考えるようにしています。

トントン拍子で進まないのが発達凸凹の育児。トライアル&エラーは定型発達児よりずっと多いし、非常に頭を使い、あまり出来の良くない私の頭はいつもオーバーヒート状態(笑)。

それでも、息子に頭を使ってほしいから、私も匙を投げずに根気よく付き合うようにしています。