大好きなお父さんが出港!!不安が強い凸凹息子が落ち着いていたワケとは・・・
夏に夫が出港しました。今回は数ヶ月不在となりました。息子が物心ついてからは初めての長い不在期間となります。
1. 転勤で悪化した癇癪が落ち着いたところでご出港で父子分離!
ASDの特性のある息子は環境の変化が苦手。そして、不安が強いタイプです。引越してから癇癪などの困りごとがぶり返し&悪化の一途を辿り、落ち着くまで3ヶ月ほどかかりました。
2歳くらいの頃は、「いったたい!(いってらっしゃい)」と玄関で見送ることができました。
ですが、引越してからはすんなり見送ることはできずに、夫が家を出るときには、いつも癇癪を起こしてしまっていました。
父親大好きなので、仕事に行く前に「や〜だ〜!!お父さんいかないで」とワンワン泣きながら足に抱きついて離れられませんでした。
玄関を開けて裸足で追いかけて行ったこともありますので、腕をつねられたり、叩かれたりしながら、私ががっちり抑えつけることもありました。
基本夫は息子が起きる前に出勤してしまいますが、息子も気配を察知して起き上がることもあって本当に疲れました。
やっと落ち着いてきたと思ったら、夫が中期で出港することに・・・
息子の癇癪がまたぶり返すのか・・・と私は頭を抱えました。
2. 出港までにした〇〇化で癇癪対策!
夫が数ヶ月不在中に癇癪を起こさないためにどうすればいいのか悩みました。
幼稚園の先生と療育先には父親の不在によって癇癪が悪化してしまうかもしれないということを伝えておきました。
2〜3歳くらいの時は1ヶ月不在などちょこちょこありましたし、息子も慣れていましたが、物心ついてから1ヶ月以上いなくなるというのは初めてのこと。これまでも、幼さと発達の特性から何度説明しても「今日帰ってくる?」と1日に何度もしつこく聞かれて内心うんざりしていました。
しかも、父親の出勤を妨害するほど、父親がいなくなることに不安を感じています。
これではいなくなった後にものすごい癇癪が続き、毎日何度も「今日お父さん帰ってくる?」としつこく聞かれるだろうな・・・と憂鬱でした。
この憂鬱な気分を私も減らしたいので、できるだけ落ち着いて待てるように対策をしました。息子はどちらかというと聴覚優位で視覚優位タイプではありませんが、まだ抽象的な時間の想像力や感覚が乏しいため、視覚からの情報も有効です。
ですので、時間を見える化しました!
・「お父さんは○ヶ月(○日)帰ってこないよ。」というように具体的な不在期間を伝えます。
・カレンダーを壁に数ヶ月分貼り、出港日と帰港予定日(不明なのでおおよその目安)を伝えます。
・声で伝えた上で、目でカレンダーを見て確認する作業を出港1ヶ月前位から定期的に行いました。
目からの情報は、時間感覚が育っていない息子にとって、「どのくらいか」というのを量として理解するために重要です。具体的にわからなくても、なんとなく「お父さんがいない日は沢山なんだな」というのをふわっとわかってもらえれば十分です。
時間感覚を鍛えるというよりは、父親がいない日が長く続くということを理解し、毎日のように「今日お父さん帰ってくる?」としつこく聞かれないようにするためです。
3. ついに出港、そして・・・
出港日は遠くから、艦を見送りました。中長期の出港だと、隊員が甲板に立って家族が近くから見送れるのですが、今年はコロナのせいで見送り行事は中止になったみたいです。
すーっと息子は「お父さん見えないよ〜〜」と嘆いていましたが、「遠いからね。米粒より小さくて見えないね。でもおふねは見えるね。お船に手を振ってみたら?」と話しかけました。
しかし、息子は艦が見えなくなる最後まで見送ることはせず、途中で「ハンバーガー食べよ!!」と踵を返してしまいました(笑)。
お父さんはハンバーガーに負けてしまったのですが、意外と息子が平気だったので拍子抜けしました。
翌日からも本当に父親がいないのが普通な感じで、父親不在による癇癪は起こしませんでした。
3日に1回ほど「お父さんは今どこなの?」と地球儀を回してたり、カレンダーを見ながら、「この日に帰ってくる?」と聞いてきたりする程度でした。
前もって伝えた効果と息子本人の成長で、変化に対応できるように発達が進んだのではないかと思いたいです。
今までの経験からも前もって伝えておくというのは、不安になりやすい息子には効果があるのだと感じています。
コツとしては不安要素はかなり前から伝え、準備することじゃないかなと思います。大人でも突然のことは不安になりますが、準備していればそこまで不安にはなりませんからね。
4. 予測不能の出港
訓練の場合は期間が決まってるので目安が立てやすいと思います。見送り行事のある出港であれば不在期間が明確なので、子どもにも前もって伝えることができます。
ですが、基本的に出港や帰港の予定は機密上、家族にも知らされないことの方が多いです。
いつふらっといなくなってふらっと帰ってきても、子どもが慣れるようにするのは、残された家族(大人)の義務であり使命でもあります。
発達凸凹の子で自閉症の特性があると、予測ができない、見通しがないというのは不安でしかありません。
こればかりはどうしようもないので、我が家の場合は、「お父さんは突然いなくなることもあるし、突然帰ってくることもある。いつ帰ってくるかは約束できないことが多いよ。」ということを言葉を理解していない赤ちゃんの頃からずーーっと言い続けてきました。
刷り込んできたとも言います。それでも不安から癇癪を起こしてしまうことも沢山あります。でも、根気よく向き合って、理解力が追いつくまでなだめ続けて、言い聞かせ続けてきました。
あとは、こういう状況なのは自分だけじゃないというのを知ってもらうことも大切です。
不規則な仕事の家なんて沢山あります。遠洋漁業なんかほとんど帰ってきません。地方の警察官だってオリンピックなどの応援や災害派遣に駆り出されてしまうことだってあります。トラックドライバーだって不規則です。医療関係者だって帰ってこられないことも多いでしょう。
周囲を見れば意外と多くの家庭が毎日9時ー5時で家族揃ってる訳ではありません。
不安が強いタイプの息子には自分1人が寂しい思いをしているのでないことを理解させるのと同時に、寂しくないように沢山お出かけして楽しい刺激を与えると不安感が弱くなると感じています。
不安な気持ちを別の刺激を与えて外らし、ポジティブな記憶を沢山詰め込んで、「お父さんがいなくて寂しいけど、他に楽しいこともあるな!」と思ってくれればいいですね。
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