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言うだけ無駄?!発達障害グレーゾーン男児の叱り方

2020年9月28日

一度の注意で問題行動を改善できるような子であれば、叱られることも少なく、自己肯定感は下がることもありません。ですが、それができないのが発達障害の特性を持つ息子です。

1. 発達障害の子は基本的には叱らない

発達障害は脳機能の問題なので叱っても意味がないと言われています。発達障害の特性の中でも、叱られやすいのは多動性、衝動性、不注意があるADHDタイプでしょうか。

特に集団生活の中ではADHDの特性は、他者から見たら、妨害や迷惑行為と受け取られます。

ですので、親も先生も注意をしますが、特性によりその注意を生かすことができません。結果、激しく叱りつけてしまうことは多くなります。叱って言動が改善されるなら、発達「障害」かも・・・と悩む必要はないわけです。発達の凸凹がある子は叱られやすく自己肯定感が下がりがちになります。

叱る行為は難しいです。叱る時はネガティブな事が発生しているわけで、叱る側もネガティブな気持ちになっている事が多いですよね。叱る側が感情的になりやすい状態です。

ついついネガティブな方向に目を向けてしまいがちなのが発達問題を抱えた子の育児です。マイナスな行為に目を向ける前に、プラスの行為、ポジティブな言動に目を向け、とりあえずそこだけ褒めるというのを繰り返すと、子どもの成長が促進されます。

かといって、叱らないで放置して良いわけありません。発達障害の特性を持つ子は沢山褒める育児と同時に上手に叱ることも必要になってきます。

2. 発達障害凸凹男児にしている叱り方

ペアレントトレーニングなどを受講したり、勉強すると「褒めトレ」「叱りトレ」をすることが多いですね。ざっくりいうと、してほしい行動に注目して、して欲しくない行動はスルー対応というものです。

以前受講したペアレントトレーニングでは、子どもの行動を3分割して対応することを習いました。
「(好ましい)褒める行為」
「(好ましくない)して欲しくない行為」
「許し難い行為」
と3つに分かれていました。

「ペアレントトレーニング 表」などで画像検索すると表のサンプルが出てくると思います。

厚生労働省のHPにも「ペアレント・トレーニング実践ガイドブック」というPDFがあります。こちらはペアトレを人に教える側(講師)用っぽいので、文章も多く、初心者には見辛いところがありますが、ペアトレってこういうことやるのねという参考にはなります。

叱るのはペアトレで出てくる「許し難い行為(これだけは絶対に許せない)」と言われる危険行為をした場合のみに限られます。

その場合も叱る言葉は短くし、声を荒げず諭すように叱ります。

褒めトレの逆ですね。褒めるトレーニングは、「子どもの好ましい行動」「どうやって褒めたか」「子どもの反応」ですので。

許し難い行為というのは人によって基準が違います。命より大切な宝物(物品)を傷つけられたら怒る人だっていますから。
子育てで言われる、許し難い行為というのはあくまでも自分自身、他人を傷つける行為」「重大な怪我や命に関わる危険行為」としておくことです。

幼児教室の先生にも同じこと言われました。幼児教室の場合はお勉強が主軸ですが、勉強面でも日常生活でも叱る頻度は最低限に下げておくことが良いそうです(自己肯定感に繋がるため)。

例えば、コップの水をこぼしただけで、怒鳴りつけるのは「叱る」に該当しません。そもそも怒鳴るという行為自体、子どもには響きません。びっくりして萎縮するだけです。

3. どうしても怒鳴ってしまうシチュエーションとは?

だからといっても怒鳴りたくなる場面も多いのが発達凸凹で多動、衝動、不注意がある男児の育児です。グレーゾーンの息子ですら、育てやすい子の10倍は親をイラつかせるシチュエーションを作り出してくれるのです(涙)。

私はあえて怒鳴ってもOKなシチュエーション(怒鳴る基準)を決めています。

それは、あと一歩で命の危険が!という時です。容赦なく怒鳴ります。と言うより、咄嗟に怒鳴ってしまうシチュエーションですね。悲鳴に近い感覚です。ただし、一言だけにします。
ガミガミいっても効きません。咄嗟に怒鳴ってしまったら、行動を静止(こちらに注意を引く)させ、子どもを移動させ、落ち着かせて注意します。

実際にあった例:買い物帰りに子どもが赤信号で飛び出し、轢かれかけた。
咄嗟に手を引いて「危ないでしょ!!(怒)」と怒鳴った。
子どもが(私の剣幕に)驚いてパニックになり泣いた。
抱きしめて、落ち着かせる。
5分程して落ち着いたら、何故ダメなのかを真剣にゆっくりと落ち着いた声で伝える。
話題を切り替えて普通に行動する(怒りを引きずらない、くどくど言わない)。

こんな感じでした。この時は咄嗟に引き戻したので、袋が落ち、中の卵は割れるし、引っ張った衝撃で私も転んだので服も破け散々でした。息子は信号で止まれるように改善していたのに、信号の向こうから歩いてきた夫を見つけて「お父さん!」と衝動的に飛び出してしまったんです。本当にゾッとしました。

息子はまだ診断は付いていないものの、ADHDの特性が強く見られる子なので、道路はいつも最前線の戦場にいる気持ちで歩き、息子に注意して歩くことを教え続けています。

多動や衝動が強い子を強く叱らないようにするためには、親が注意を払わなければならないので、家の内外で気が休まることはありません。改善したように見えて、ふとした時に衝動性と不注意が合わさって不適切な行動として出現します(汗)。

私も常にイラついている状態になってしまいますが、気をつけているのは、イライラしていても、叱ったことに対して怒りをいつまでも引きずらないことイライラしていると火に油を注ぐように感情が大噴火しがちになります。

元々別の理由からイライラしていたり、蓄積されたストレスでイライラが急上昇してきたりしたら、子どもと手を繋いだままでも、一旦大きく深呼吸して、イライラを抑えて、大きく叱った後は子どものまでは普通に行動するように気をつけています。